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ポリウレタン樹脂とは?特徴や用途、取扱い方法について解説

ポリウレタン樹脂とは?特徴や用途、取扱い方法について解説

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ポリウレタン樹脂とは

ポリウレタン樹脂とは、弾力性、クッション性に優れている合成ゴムの1種です。PUやUと表記され、熱硬化性と熱可塑性の両タイプがあります。建築材の断熱フォームや、シューズのソール、衣類など、さまざまな成形加工法を用いて、幅広い分野で使用されています。

一般的なポリウレタン樹脂の特性は、下記の通りです。

 ・弾力性に優れている

 ・柔軟性がある

 ・機械的強度が高い

 ・耐摩耗性に優れている

 ・耐薬品性に優れている

 ・耐候性に優れている

性質 / 特性

性質/ 特徴 備考
分子構造 様々 規則的にウレタン基が連続しているものから、複雑なウレタン結合を持つものまで多くの種類がある。
収縮率 小さい 0~2.0%
透明〜不透明
ガラス転移温度 低い -20℃
耐衝撃性 強い
耐熱性 80〜100℃
耐候性 良好
電気的性質 優れた電気絶縁性をもつ
耐薬品性 一部の薬品を除く
寸法安定性 成形しやすい
機械特性 強い
成形品の外観 良い

ポリウレタン樹脂の代表的な用途

射出成形加工された、ポリウレタン樹脂を用いた製品の例には下記があります。

 ・自動車部品:ボールジョイント、ブッシュ、防振部品

 ・機械、工業部品:パッキン、キャップ、ラバースクリーン

 ・靴:各スポーツシューズのソール、安全靴、スキー靴

私たちの日常生活でよく使用されるものから、工業製品に至るまで、多岐に渡ります。弾力性、柔軟性、機械的強度の良さから幅広く、主に各種緩衝材として使われ、自動車部品、機械、工業部品、特にクッション性が求められる箇所を担います。

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ポリウレタン樹脂の成形加工時におけるポイント

ポリウレタン樹脂は、成形温度(加熱筒温度と金型温度)、梱包方法や保管に関して特に注意が必要です。

成形温度に関して考慮すべきこと

ポリウレタン樹脂を射出成形加工する時は、成形温度の管理がポイントです。金型内に充填する時、加熱筒温度、金型温度によって、樹脂の流れやすさが大きく変わります。

樹脂温度、金型温度が高い時は、樹脂粘度が低く、充填しやすくなります。その反面、PLに余分な圧力がかかり、バリが発生したり、冷却不足によりヒケやすくなります。

樹脂温度、金型温度が低い時は、樹脂は流れにくくなります。流動末端や樹脂の流れにくい箇所において、ショートや湯ジワが発生しやすくなります。ゆっくりとガスは排出され、ガス逃げは改善します。

成形品の梱包方法や保管に関して考慮すべきこと

ポリウレタン樹脂は柔軟性に優れるため、成形加工後の梱包や保管方法に注意が必要です。成形品を保管する際は、変形しないように、仕切りやトレーを使い梱包しましょう。仮梱包状態が長いときは、変形が進んでしまうので特に気をつける必要があります。また、加水分解などによる劣化についても配慮が必要です。特に高湿度下では、劣化が促進されるため、高温になる倉庫内に長期的に保管しないように、生産をコントロールすることが必要です。

成形不良への対策

樹脂の特性を考慮の上で、成形不良の対策を検討することは大切です。発生しやすい成形不良とそれぞれへの対策案は下記です。

ショートの原因と対策

ポリウレタン樹脂は、ガスベント詰まりからガス逃げ不良により、ガスショートが発生します。日常点検、金型清掃を行い、ガスベントの詰まりを未然に防ぐことが重要です。また、成形機上でメンテナンスできない金型内部は、定期的にオーバーホールしましょう。

ヤケの原因と対策

ガス逃げが悪くなると、排出できなかったガスが高温になり、製品部にヤケが発生します。金型のガスを拭き取ることで、一時的に回復します。ガス逃げの悪い箇所は、ガスベントが潰れていることがありますので、ガスベントの彫り直しが有効です。

ウエルドラインの原因と対策

多点ゲートや、流動の分岐からの合流地点においてウエルドラインが発生します。原料ロットが変更したり、金型内の水管が詰まると、樹脂の流れが変わりウエルドラインが強く出ることがあります。原料ロットの変化点では、都度確認を行い、金型の水管詰まりへの対策として、水管内をエアーパージし、汚れ、ゴミを除去を確実に行うようにしましょう。

バリの原因と対策

経年により、金型が消耗することで、PLや、スライド製品部にバリが発生します。流動末端のバリは、計量値や、射出圧力、保圧を下げることで改善します。流動途中のバリは、バリ発生箇所の射出速度を下げることで改善します。条件調整で改善しないバリは、後加工でバリ取りをするか、金型を溶接・彫り直して修理しましょう。

まとめ

ポリウレタン樹脂は、弾力性、柔軟性が優れていることから、各種緩衝材の原料として幅広く使用されています。ポリウレタン樹脂の取扱い方法や成形加工のポイント、よく発生する不良について説明しました。

上記例のような要素を考慮し、より生産性の高い成形加工を目指しましょう。