昨今の製造業での課題として、人手不足の解消、職人技の継承、働き方改革などが騒がれております。
そこで、産業用ロボットの導入がこれらの課題を解決することが期待されています。産業用ロボットの需要は年々拡大しており、日本国内では2035年までに10兆円規模になると予想されています。
今回は、産業用ロボットのトレンドや活用分野をご紹介いたします。
今日少子高齢化と労働人口の減少が急激に進んでいます。それにもかかわらず、生産の維持・拡大を求められるため、日本の強みであるロボット技術を活用し、顕在化する社会課題を解決することが急務となっています。特に製造業では、製品の多品種化・短サイクル化・規制強化・人件費の高騰など、取り巻く環境が厳しさを増しています。(※1)
前述した通り日本を取り巻く環境は厳しくなる中でロボットを導入することで解決可能であったり、アプローチが可能となる課題は以下の通りです。
参考1:経済産業省「令和4年度概算要求のPR資料-次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発事業」
人手不足は製造業において大きな課題となっています。労働力の減少や従業員の休暇取得などが原因で生産性の低下や生産遅延などが起こります。このような状況を改善するために、産業用ロボットの導入が有効です。ロボットは働き続けることができメンテナンスを行うことで夜間も働けることが可能です。これにより人手不足による生産性の低下や生産遅延などを解消することができ、従業員のストレス軽減なども期待されます。
職人技の継承は、製造業において重要な課題の1つです。伝統的な職人技を引き継ぐ労働力が減少することで、製造業の技術力が低下しつつあります。しかし、近年はIoTやAIなどのIT技術が進化することで、産業用ロボットによる職人技の継承が可能となっています。産業用ロボット技術は年々進化しており、職人技をただ再現するだけでなく、検査の自動化や搬送作業など様々な現場での導入も進んでいます。
近年、1億総活躍社会を目指すため国を挙げての働き方改革(※2)が進んでいます。産業用ロボットの活用は、労働者の負担軽減や仕事の自由度の向上など、働き方改革に寄与することが期待されています。特に人手不足が顕在化する現場では、ロボットを活用することで労働者に残業などの負担を軽減させ、より人間らしい働き方を実現することができます。また、産業用ロボットによる自動化により、仕事の自由度が向上し、働き方を自分で選ぶことが可能になるでしょう。