製造業の現場では生産を継続するための保守が重要であり、そのための生産設備のデータ収集および不具合発生の要因特定が重要な課題となっています。ただし、多数の設備が稼働する工場では、設備ごとに異なるデータフォーマットや通信方式の違いにより、データの収集・管理が困難です。本記事では、KVシリーズを活用したPLC一括監視システムの構築について解説します。
🔍 こんな方におすすめ!
✅ 工場のDX化を進めたいがどうすればいいかわからない
✅ 設備監視システムの導入を検討している
✅ 簡単かつ素早くデータ収集を実現したい
一元監視システムの構築に着手する場合、以下の課題がよく挙げられます。
キーエンスのKVシリーズは、これらの課題に対してメリットがあります。
KVシリーズを活用することで、既存のPLCを大きく変更せずにデータを収集できます。
本ブログでは、KV-STUDIOによる開発手順について解説します
おおまかな流れは以下の通りです。
1. 開発環境を構築するWindowsPCを準備してください。
2. KV-STUDIOのインストールファイルをダウンロードしてください。
KV-STUDIO 体験版:https://www.keyence.co.jp/download/download/confirmation/?dlAssetId=AS_149640&dlSeriesId=WS_SR57344&dlModelId=&dlLangId=&dlLangType=en-GB
3. KVS_Sample_G_1172を実行してKV-STUDIOをインストールしてください
4. KV-STUDIOを起動してください。
5. プロジェクトを新規作成してください。
6. ユニット構成の設定を行います。ユニットエディタを開いてください。
7. KV-XD02とKV-XLE02のユニットを追加してください。
パターンA 実機と接続している場合は「PLCからユニット構成読出」を選択します。
パターンB 実機がない場合は青枠、ユニット選択(1)、KV-XD02とKV-XLE02を順にクリックして必要なユニットを追加します。また、追加したユニットを右クリックし「ユニット予約」を選択します。
8. KV-XLE02の設定を変更します。
KV-XLE02をクリックし、以下の設定を変更してください。
・ポート1のIPアドレス、サブネットマスクを接続先に合わせて設定します。
・ポート1のPLCリンクの設定を「使用する」に変更します。
9. ユニットエディタを閉じてください。
10.KV-XD02を利用できるようにラダーを追加します。
エディタモードにします。
00001 - 1をダブルクリックし、命令後/マクロ/パックパレットウィンドウを開いてください。また、命令語にLDを選択後、オペラントの値にCR2002を入力して上書きをクリックしてください。
00001 - 2をダブルクリックし、命令後/マクロ/パックパレットウィンドウを開いてください。また、命令語にOUTを選択後、オペラントの値にR34000を入力し、挿入をクリックしてください。
00001-3~10はキーボードのマイナスキーを押して、回路を接続するための線を入力します。
11. 以上で開発環境・通信設定は完了です。
PLCリンクを利用して設備側のPLCからデバイス情報を取得します。
(参考) KV-5000に関する接続ガイドですが、基本的な操作は同様です。
https://www.keyence.co.jp/support/user/controls/faq/answer.jsp?faq_id=20748
1. ツールタブから拡張ユニット設定、KV-XLE設定、PLCリンクを順にクリックします。
※ユニットエディタでKV-XLE02のPLCリンク「使用する」に変更していないと選択できません。
2. PLCリンク画面のリンク機器一括設定をクリックし、情報を取得する相手側PLCのメーカ、機種、IPアドレスなど設定します。
3. 相手側PLCから読み出したい情報を設定します。
今回は横河電機製のFA-M3シリーズとKV8000を連携する事例で設定しています。
FA-M3のD1000の値をKV-8000のデバイスDM01000に保存する設定を下図に示します。※FA-M3のデバイスD1000はKV-STUDIOのPLCリンク上でD101000と入力します。
4. 以上でPLCリンクの設定は完了です。
データをCSVなどに保存しておきたいときに利用する機能になります。
KV-8000のSDカードに保存する方法を記載します。
1. ツールタブからロギング/トレース設定を選択します。
2. ファイル名タブを設定します。
データの保存先:CSVデータの保存先
日付時刻:ファイル名に日付の追記
3. デバイス/変数タブを設定します。
追加をクリックして、ロギングするデバイス/変数を入力する。今回はDM01000で設定しました。
4. 以上でロギング/トレース設定は完了です。
本記事では、以下の内容について解説しました。
次回の記事では、「KV-XD02を活用したアプリ画面の作成」について詳しく解説します。
🔍 さらに詳細な技術情報を知りたい方は、次回の記事をお楽しみに!