MAZINは「強い工場を造る」をミッションに掲げ、最先端技術を応用したFA技術の研究開発を日々つくば研究所で行っております。この記事では、当社の大きな研究テーマの1つであるAI射出成形機の開発についてご紹介します。
当社は従来、切削加工機や射出成形機向けに外付けで機能させることのできる技術開発を中心に行ってきましたが、機械制御等のより踏み込んだ技術の開発や新しいビジネスモデルの構築を目的として機械を制御するコントローラそのものの開発に取り組んでいます。
射出成形機に馴染みのない読者の方向けに簡単に射出成形機の構造について示します。
射出成形機は操作盤からオペレーターの入力を受け、制御盤内のPLCまたはPCが型締ユニット・射出ユニットを始めとした機械全体の制御を行います。
※操作盤内のPCが制御まで担っているケースもあります
機械全体の制御を行うPLCまたはPCはコントローラとも呼ばれます。コントローラは、操作盤・各種I/O・モーターと高速で情報処理を行いながら制御を行う、射出成形機の頭脳にあたります。
そして当社では、AIをフル搭載した射出成形機のコントローラの研究開発を行っています。
当社では、産業用制御装置として発達してきたPLCの良さと、様々な強力なオープンソースソフトウェア群を動かすことができるPCの良さをどちらも享受するために産業用PC上にソフトウェアPLC(CODESYS)を動かす構成で開発を進めています。
大きく、①熟練技術者の代替と②成形精度の向上が挙げられます。
従来、射出成形機による生産活動には熟練技術者の存在が不可欠でした。射出成形条件の作成・調整や機械の保全など、実際に熟練技術者が製品・機械の状態を確認しながら経験・知識を元に業務を進めていく、まさにカン・コツの世界です。
当社はこれらの業務を、機械からリアルタイムに取れるデータを用いて自動化する試みを進めています。特に、射出成形条件の自動作成機能には力を入れており、多様な金型で知識なしで成形条件を作ることが可能になってきています。
工場内温度や樹脂粘度の変化等で、同じ成形条件でも不良につながることがあります。従来は、良い成形条件(環境変化に強い成形条件)を作る、なるべく環境変化が小さくなるように環境を整える、それでも変化してしまう場合は技術者が条件を調整して対応しています。しかし、技術者の層が厚くない国・会社ではこれらの対応が不十分でとても高い不良率で成形をしているケースが散見されます。また、今後リサイクルプラスチック等が使われるようになると、成形の難易度がさらに上がっていくことが想定されます。
当社はこれらの課題に対して、環境変化に強い成形条件の自動作成、環境変化のモニタリング&自動調整等の技術開発に取り組んでいます。
当社は、つくば研究所で日々AIコントローラの研究開発を進めております。研究開発の成果は新規の射出成形機だけでなく既存の射出成形機に搭載することが可能です。ご興味のある方には見学をご案内しており、これまでに国内外から多数の方に来所いただいております。
この記事を見て少しでも気になった方はお気軽にお問い合わせください。
当記事内では射出成形機の話をメインに行いましたが、当社は射出成形機だけでなく、切削加工等の他領域のAI・熟練者ノウハウのAI化技術・ヒューマノイド制御技術などの技術の研究開発も行っております。とにかく製造に特化して最先端技術の研究開発を行っています。他の取り組みも紹介させていただければと思いますので、当社に興味を持っていただけた方はぜひお気軽にご連絡ください。
当社では、生産技術者・ソフトウェアエンジニア・FA技術者・研究開発者の採用を積極的に行っております。もし少しでも興味を持っていただけた方はカジュアルな面談から当社をもっと知っていただけたらと思いますので、お気軽にお問い合わせください。