変種変量生産とは、少量生産から大量生産まで、変動する生産品目に柔軟に対応できる生産体制のことです。部品加工の現場では、自動車や家電など、消費者ニーズの多様化とプロダクトライフサイクルの短期化で、「変種変量生産」が急増しています。変種変量生産では、これまでの大量生産を前提とした生産体制では、対応することができません。
「大量生産」「多品種少量生産」「変種変量生産」の違いは下記の通りです。
同じ部品を大量に加工する生産体制です。大量生産では、量産部品をいかに早く加工し続けるかが重要となります。自動車部品加工では、搬送ラインと機械加工を組み合わせたトランスファーマシンなどの専用ラインによって加工が行われます。最近ではマス（大衆）から個への市場ニーズの変化によって、大量生産の場面は少なくなっています。
多品種少量生産よりも、さらに納期や数量が変動する生産体制です。変種変量生産では、少量生産から大量生産まで、求められる生産数をいかにタイムリーに供給できるかが重要となります。部品加工においては、一般産業機械や建機・農機向けの加工が変種変量生産として多かったですが、最近では半導体製造装置向けの変種変量生産が急増しています。これらのトレンドにより生産性向上が難しく、生産・品質・在庫管理はより複雑になっています。
さまざまな品種を、少しずつ加工する生産体制です。多品種少量生産では、小ロットのワークをいかに効率よく切り替えながら加工するかが重要となります。自動車部品加工においては、EVシフトと開発スピードの向上によってモデルチェンジが多く、多品種少量生産が当たり前になってきています。
生産量の見込める「大量生産」や、ある程度品種が決まっている「多品種少量生産」は、人件費の安い海外に流れていってしまっています。そのような中、国内で生き残るには変種変量生産への対応が必須になってきています。
人手不足が続く国内の製造業において、海外ではコストが見合わない小ロットの部品を、いかに効率的に製造するかがポイントとなっています。変種変量生産に求められるポイントは以下のとおりです。
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