IoT導⼊に製造現場が反対する理由の1つとして、仕事の変化に対する不安があります。例えば、今まで⾃分たちが経験を積んできた仕事の進め⽅が変わってしまったり、仕事⾃体が無くなってしまったりといったケースです。仕事の効率化や品質の向上を⽬指してIoTの導⼊を決断することが多いため、製造現場の仕事は少なからず変化してしまいます。仕事内容の変化に対する不安を解消し、⾼いモチベーションで取り組んでもらうためのヒントを紹介します。
IoT導⼊により、具体的にはどのような仕事が変化するのでしょうか?実際には、導⼊する⼯程や設備によって変化する仕事内容は異なります。例えば、切削⼯程では稼働状態の監視・分析を可能にし、電流データを解析することで不良品の⽣産を防ぎます。この場合、⼯具を⽬視で管理や完成品検査を⾏っていた⼈の仕事量は減るでしょう。また、射出成形機に対するIoT化では、設置した圧⼒センサの情報を元に稼働状態の監視・分析を可能にし、内部状態の変化を検知することで不良の⽣産を防ぎます。この場合、状態に応じて射出成形の条件を調節や完成品の検査を⾏っていた⼈の仕事量が減ります。上記で触れたのは⼀例に過ぎませんが、IoTの導⼊により製造現場における仕事内容は変化していきます。
IoT導⼊による仕事内容の変化は⽣産性や品質の向上に効果的です。しかし、製造現場からの反対を受ける場合があります。仕事内容の変化に対して製造現場が反対するもっとも⼤きな理由は、慣れている仕事の仕⽅を変えたくないからです。仮に、IoTの導⼊で仕事が減り、⽣産性と品質の向上ができるとしても、導⼊前にはそれを実感できていません。効果が実感できていない状況では、⾒えていない効果よりも、仕事が変化することで仕事がしにくくなることに反対したくなることはよくある感じ⽅です。仕事に対する捉え⽅は⼈それぞれであり、仕事がしにくくなることに反対する⼈もいれば、新しい仕事を楽しみにする⼈、今までと仕事の仕⽅を変えたいと感じている⼈もいます。⼀⽅で仕事内容もIoT導⼊によって変化しない仕事、変化する仕事、削減される仕事などさまざまです。スムーズにIoT導⼊を進めていくためには、仕事に対する捉え⽅と仕事内容を上⼿くマッチさせることが重要です。