IoT導入を検討している現場で、よく聞く言葉。実際、この意見に対して、否定する意見もあまり聞かない。
しかし、“それが一番難しい”というのもまた確か。
単なるキャッチフレーズとして用いるのではなく「なぜ」という根幹から納得しなければ、現場を巻き込むための工夫やコミュニケーションに尽力することは難しいでしょう。
この資料では、現場を巻き込むことの重要性とその理由、現場を巻き込む大きな成果を挙げた事例についてご紹介致します。
工場のIoT化において現場を巻き込むことが重要である一番の理由は、IoTで達成を目指すあらゆる目標の達成には現場の協力が不可欠だからです。たとえば、生産性向上を目標とする場合、生産設備をIoT化し、取得したデータを分析することはシステム担当者や外部コンサルタントにできても、そのデータをもとに行動を変えることは現場の社員一人ひとりに委ねられます。大事なことは、「どんな場合で停止するのか」「この手順にした方が効率的かもしれない」など、データをもとに考え、提案・実践してもらうことです。しかし、こうした見える化・可視化されたデータをもとに考察の上、対応を求めるといったことは、本来非常に難しく、なかなか実現しにくいのが実情です。難易度の高いことを一方的に現場に要求することが原因で、プロジェクト終了後、なかなか運用に乗らないといったケースは少なくありません。こうした状態に陥らないよう様々な工夫を凝らす必要があります。たとえば、取り組みの中で開発するソフトウェア等によるアウトプットを可能な限り、指示に近づけるようにシステムの要件適宜を行う等、プロジェクトの目的に応じ、従来人が行っていた分析や考察の部分をシステム化してくといったことは、運用まで意識したプロジェクト推進のためには検討すべきでしょう。
しかしこうした表面的な工夫ばかりを行ったとしても、プロジェクト推進の際に現場から共感が得られなければ、オペレーションや製造現場の変更は無用な押しつけと捉えられかねません。 反対に、共感が得られれば「こうした方が良いのでは?」「こんなデータも取得した方が良いのでは?」と、現場ならではの貴重な意見を集めることが期待できます。こうして集めた、現場だからこそ知る勘所がシステム化の肝になったりもするのです。さらに現場の意見を取り入れながら、プロジェクトを推進し、一体感を醸成することで、不要な反発を抑えることも期待できます。働き改革、品質改革、技能継承、新規製品・サービスの創出などIoT導入の目的は様々ですが、「やって満足」ではなく成果を求めるなら、現場を巻き込むことは必須条件と言えます。