射出成形AIの機能
AI Features for Injection Molding
概要
射出成形AIプロジェクトでは、良否判定機能と成形条件調整機能を提供しています。本機能は、様々な不良種別を高精度に検知可能であること、不良品が成形され始める前に条件を調整し、常に良品が成形されるようにすることが特徴です。大量のデータを分析してきたことで、不良が生じたときにデータに現れる特徴を知見として把握しており、様々な不良種別について知見を蓄積してきました。この知見を織り込んだ独自アルゴリズムによって多くの不良種別を高精度で判定できる機能を実現することができました。また高い良否判定技術を持つことで、不良が生じそうかの予測精度が高まります。これにより、成形条件調整の精度を高めることが可能になっています。
良否判定機能
良否判定機能では、成形中に発生するバリやショートショットといった様々な不良を検知可能な機能を提供しています。不良品の検知が可能となることにより、生産工程の管理の容易化、コスト削減につながります。特に、ピックアップロボットと連携して、不良品をピックアップすれば、不良品の排出が抑制されるため、検査工数を削減することができます。現在は、様々な成形品サイズ、樹脂種類について、より多くの不良種別を検知できるように、研究開発を行っています。
データ取得技術
金型内センサでショットごとに圧力波形や温度波形を計測します。
特徴量エンジニアリング
独自のアルゴリズムにより成形条件の変更に対する金型内部状態の変化度合いを学習します。
良否判定アルゴリズム
特徴量エンジニアリングで生成された特徴量をもとに、バリやヒケ、ショートショットといった形状不良を高精度で検知します。
成形条件調整機能
成形条件調整機能では、成形状態を常にモニタリングし、良品が成形される成形条件を提示する機能を提供しています。良品が得られる成形条件で成形していたとしても、温度や湿度などの環境変化などによって成形状態が変化し、不良品が排出されるようになることがあります。成形状態を定量化し、不良品が成形されそうかを常にモニタリングすることで、不良品が成形され始める前に、良品を成形するための新たな条件を提示します。これにより、不良品が成形されることを未然に防ぐことができます。現在は、良品が成形される条件を探索する精度のさらなる向上に取り組んでいます。
データ取得技術
金型内センサでショットごとに圧力波形や温度波形を計測します。
良否判定技術
成形時の金型内圧をリアルタイムで監視、バリやヒケ、ショートショットといった形状不良を高精度で検知します。
条件調整アルゴリズム
良品時に得られる基準波形に対してのズレの調整をAIが学習し、熟練技能者による調整と同等な射出成形品質の確保を実現します。